大塚家具

・きのう新宿に用事があって行ったのだけれど、その途中で大塚家具の前を通ったのでちょっと入ってみた。たしかに入っても店員があまりいないし、確かに威圧感のようなものはほとんど皆無だった。しかし売っているものはたしかにすごく良いものばかりだとすぐに判るような揃えで正直感嘆した。どこかの美術館で「世界の家具展」などを開催するのをみるよりも、俄然衝撃的な量と質なのである。
なにせ元三越デパートの一階から八階まで、隈なく良い家具ばかりを展示しているさまであるのだから。特に二階のじゅうたん売場には1300万円もするペルシア絨毯をはじめ、大量に展示されているのはすごかった。こんな高価な絨毯をこんなに沢山展示されているのはみたこともなかったけれども、やはり神々しい程魅力的なものなのだと云うのが判っただけでもけっこうな収穫。
机になるかもしれない木がそのままの状態で売られているのだが、それがまたみるからに高級そうだと一目で判る木なのであるのに驚く。

大塚家具の会員でもなかったので初めて大塚家具に入ったわけだけど、これは別に会員制でなくして多少安くしたとしても、ニトリとかイケアとは一緒にならないと思う。とにかく、こんなに高級なものが広大なスペースに大量に展示されているのにもかかわらず、店員のすがたが殆どみえず、みえたとしても非常に遠慮がちであるのは、見物人としては非常に心地が良い(多分社長の命により、徹底されているのだろう)。つまりは現代美術のギャラリーのように自由にみることができるようにしてあるのだが、結果的にこういう構成で徹底されているのであれば、あまり品の良くない客はこないだろう。あとはそれなりに買おうと思っている客は、いちいち説明しなくても、じぶんの眼で買うだろうと思う。要するに客を信用しているのだろう。

まるでデザインの美術館に来ているみたいだし、とにかく三越まるごとのスペースを徹底して高級家具を展示しているのだから一見の価値はあるだろう。

まるで大貴族がその後継者である子供との争いによって追い出され、その子供によって市民に一般公開されたような趣き。面白かった。また行ってみよう。ここで目や知識を養って、古本のように中古店やネットなどでいいのをみつけて安く買おうかな。