金木犀と、健全すぎる土地と、安心する土地。



荻窪の家の隣家の大きな金木犀が満開になり、非常に馨しい匂いを発している。あしたあたり、阿佐ヶ谷の中杉通りから一本はいったところにある金木犀の巨木を拝みに行こう。



・専門学校の授業カリキュラムで、「風景画の基礎を学ぶ」という名目で学生たちと新宿御苑に繰り出す。晴れていて、とても気持ちよい。



・新しい実家に行く。二回目。まったくといっていいほどフラットな八王子みなみ野。夜は涼しいし、虫の音はものすごい。空気はいやにきれい。道路はまっすぐで綺麗。近くの公園は整備されている。何もかもが新しい。何もかもがいやに健全だし、合理的だし、清潔。過不足というものがない。新しすぎる。ツッコミどころがなくて所在無し。なにかシミみたいなものが出来ようものなら、それが「味」にならずに文字通りの欠点や汚点になってしまうような心苦しさが少しある。健全で無難に生きていかなければすぐに浮いてしまうような気がして怖い。とはいえ、物凄く管理されているというわけではなさそうだけれども。しかし、とりあえず、荻窪のようにラフに暮らせないことだけは確かのように思われる。

泊まる予定だったが、両親と喧嘩になって、結局夜遅く荻窪の自宅へ帰り眠る。帰った途端心が多少穏やかになり、みるみる安心して、しっくりしていく。やはり荻窪はいろんな意味で落ち着く。ロフトのベッドで横になりながら本を読んでいると直ぐに眠たくなって、熟睡。



・朝起きて、西鎌倉の絵画教室へ向かう。おととい炊いたご飯に、レトルトのカレーをかけて食べようとするが、炊飯器から取り出さずに置いておいたご飯はもうぐじゃぐじゃに腐っていた。これじゃあとてもじゃないけれど食べるのは無理なので、シーチキンの缶詰を開けて、掻き込んで出発。途中大船で、いつも買っているパン屋でパンを三つ買い、食べる。西鎌倉のファミマで、リポDもどきの栄養剤を買って、ぐいっと一息で飲む。リポDタウリン1000mg配合だが、こちらは3000mg配合。しかも100円。


・とてもよい雰囲気の中、教室終了。鎌倉の教室に行った後はいつも爽快な気分に切り替わって、前向きな気持ちで帰宅できる。鎌倉のあかるい光と、みなさんのアグレッシブなパワーに元気をもらえる。殆ど70歳から80歳くらいの方々なのだが、みな非常に元気で、毎回毎回新しい油絵を何枚も描いてきて、さらに教室でその続きを描く。前向きでいきいきして意外と考え方も柔軟なひとたちだ。みんなのようにカラッと老いたいと思う。



荻窪以外であれば、鎌倉大船近辺に住みたい。心地よさがほかの土地にくらべて格段に違うように感じる。荻窪や鎌倉は、じぶんにとって、とても自然に馴染めるし、じぶんにとって、いい空気の流れが漂っている。



理論社民事再生法申請。小宮山氏の無念さはいかばかりか。