五月備忘録





・25土、鶴見にて仕事。ずーっと現場監督に眺められているなかでの作業は非常にきつくて、案の定一回失敗するとその後なし崩しになってしまい、併しそれを悟られぬようポーカーフェイスで作業を終えてほうほうの態で現場をあとにした。SSとファーストキッチンで夕食。


・23木、24金BYが家に来て、語る。BYは美術作家なので、作品の話を中心に夜遅くまで語り合い、泊まっていく。朝、八王子みなみ野まで出て、BYはパスタを、僕はハンバーガーセットを頼む。とても美味。八王子みなみ野と云う街は、バブル期に山野を開拓して出来た新しい街で、八王子市の理想を体現したような街並みなのであるが、その理想が実現し過ぎていて、現実感が全くない街なのである。恐ろしいくらいに生活感の微塵も感じさせない。アメリカ大陸の砂漠の中のオアシスのような都市で、全く日本臭がなく、綻びがない。街が出来て二十年ちょっと、当初の理想はともかくも、実際に人が住んでいくと段々ずれが出てくるものなのだが、そう云うずれと云うものが感じられないのである。ここまで当初の計画からずれがない(ように思える)のは、恐らく行政に強制されて創られている雰囲気と云う以上に、そのような雰囲気が好きな人々が積極的に集まって、自主的にその雰囲気を体現しようとしているのだろう。
そのハンバーガーを食べた店の店員が、れっきとしたアラブ系?の外国人であったのだが、また完璧に自然で滑らかな日本語を話すので、その日本語の滑らかぶりと日本臭の全くと云って良い程のなさのギャップが、まさに八王子みなみ野と云う街を体現しているようであった。
BYは、野球の強豪校の出身で、ピッチャーだったらしく、それまた超有名なMの二番手だったと云うことだ。肩を痛めてしまって、野球が出来なくなってしまったとのことであるが、廻りまわって現代美術作家になっているというのは興味深いところである。


食事をしたあと、片倉のほうまで下っていくと、あるところから急に黄土色が基調色のような、あか抜けない土っぽい街になる。みなみ野からの変貌ぶりが劇的すぎてどう対処していいかわからないくらいだ。空気感まで全く変わる。BYが作家何人かで共同に借りているというアトリエを見学させてもらった。其処は、もう高尾の雰囲気が色濃かった。



・20月 八王子から北野に自転車で行ってみる。何と云っても八王子は坂が多いので、下るときは非常に気持ち良いが、のぼりが一苦労である。北野のドトールに入って読書。その後マックに入り食事。それくらいしか店がない。自転車が平日にもかかわらず大量に駅前に止めてあり、撤去がゆるい感じが好感もてる。自転車の撤去に余りにも神経質な街は、どうも苦手だ。荻窪は大好きであったが、駅前の自転車の撤去に命を懸けているような気魄があって、それだけは苦手であった。
・18土TMと大船。大船には植物園があり、なかなか其処はラフな感じでよかった。植物園と云うよりも、市民憩いの公園のようである。昼は何だかプロテスタント的なテイストの店で、マヨ丼を食べる。非常に太陽の光が強い日で、体力を消耗したけれども、店に入って駄弁っていると、お互いに体力が恢復する。近くの珈琲屋に移動して、また其処でも愉しく駄弁る。
・18土夜、水道橋に移動し、MRYとNMのライヴを聴きに行く。しびれます。オーナーのSやSMも居て、この辺のメンバーとあったり、その表現を日頃目の当たりにできるのは、幸せである。
・17金Wと国分寺でお茶&呑み。非常に話が盛り上がる。Wも自身の制作で悩んでいるようであったが、「居場所」が違うだけで、センスや技術は申し分がないのだと思う。終電ぎりぎりまで呑んで、話したりない程愉しいひと時。Wと会う前に、Switch pointに立ち寄り、オーナーのHと其処に居た作家さんと軽く美術話。
・12日、写真会。この会も、回を重ねるごとに、充実したものになってきており、とても心強い。メンバーがだいぶ固まってきたようである。今回は四谷〜四谷三丁目〜信濃町青山一丁目〜外苑前。だいぶハードだったにもかかわらず、皆なんだかんだで、夜も愉しく呑んだ。その店は安くて美味しくて雰囲気も良かったのには、疲れている身としてはだいぶ助かった。
・11土、土屋貴哉×アタカケンタロウの二人展(ギャラリーの杮落し)。ふたりの対談も聴く。NKとも知り合いになる。夜、呑み。TTと改めてじっくり呑む機会をつくりたい。
・8水、清澄白河。BYの企画で、彼の知り合いで写真を撮っているひとを何人か集めて、話すという会。久しぶりにアートコンプレックスの倉庫も行く。大した展示はやっておらず。そのあと、呑み。緩い感じだったけど、面白かった。H、M、など。
・6月、水天宮での仕事の後、SSと中野で盛大に呑む。
・3金、荻窪でYと呑む。仕事が忙しいらしく、連休前の疲れもあって風邪をひいていたようで、あまり元気がなかったが、それでも呑んでいくうちにけっこう突っ込んだ話が出来たように思う。阿佐ヶ谷まで散歩。
・連休前後は、引っ越し後の片づけ。
・鎌倉、風景画、専門学校等は順調。