・T(男)とM(女)が、ずっと膠着状態だったままなしくずしに終わってしまった恋愛以来、久しぶりにとある喫茶店のようなところで、二人で話している。そして、申し合わせたようにひとつはなれた窓際の席に僕がいる。Tは僕がいることを知っているのに、席の位置の関係上かMは僕がいることを気づいていない。TとMの話は、久しぶりに会ったのもあってぎこちないし、しかもかみ合っていないが、何か照れくさいながらも楽しそうに話している。

「ああ、長年のズレで、それぞれの想いはすごく捻じ曲がったまま蓄積していただろうが、そういうものをひっくるめて、こんな風に話し合えているのだなあ」と思い、ちょっと感慨深い気持ちになる。そのとき喫茶店にYK(男)が入ってくる。僕は、「おお」といって彼を迎え入れるが、Tも気づき、4人でご飯でも食べに行こうかという話になる。

YKが入ってきたとき、僕とYKの存在をMが気づいて、MとTの二人だけのいい感じの雰囲気をぶちこわしちゃうんじゃないかと気を遣うが、Tは悠々とした態度だったので、「ああ、これなら問題ないか」と思って、安心する。