突然の高熱



・朝から微妙に体がだるく、吐き気みたいな感じがする。昨日も調子は良くなかった。しかしそれは一昨日が朝まで飲んで起きていたせいだからと思っていたのだが、二日連続で調子がしっくりしないのはちょっとおかしいな、と思う。昨日は一区切りだったけど、それで抑えていたものが、疲れが一気に出たのかなと思う。



・昼、作品に使用する写真をプリントに出す。


・その間にブックオフ荻窪店に立ち寄る。
小林秀雄『近代絵画』(新潮文庫)購入。
青山二郎『眼の哲学 利休伝ノート』(講談社文芸文庫)を購入。


小林のは、持っているけれどすぐに読みたくなって、百円だから買ってしまう。
以前、西ノ大兄と、自分たちはどの文学者・批評家や哲学者に近いか、などと他愛のない話をしたことがあったが、それ以来、自分に近い感性や、自分が目指すような境地を考えはじめる。西ノ大兄は、不肖な私めにロラン・バルトが近いのではと言ってくれた。対して西ノ大兄は、完全にヘーゲルであると思う(日本人では、辻邦生かな)。
でも、「目指すような境地」というところでは西洋人であるバルトはではない気がしていたが、あれこれ考えてみてみるうちに、白洲次郎(別にドラマをやっていたからじゃないよ)とか小林秀雄とか、そういった人々になんか親近性とか目標を見出してみる。むかし、Mさんに、「やまもとさんには、小林秀雄が一番近いんじゃないか」といわれたことも思い起こしてみる。
ほんとこういう話はおこがましいのだけど笑、まずは「印象批評」万歳!から。



・そのあと荻窪邪宗門」に寄る。店主がなくなった後、非常に上品な未亡人が店主になっている。おばあさん、目を輝かせていつもでむかえてくれる。いつもウインナー珈琲を頼む。すごく美味しい。水が出てくる。水が渇望しているが如く、美味しく感じられ、もう一回ついでくれた水も、一気に飲んでしまう。
早速小林秀雄を読もうと思ったが、途中から急速に体調が悪くなってくる。体の節々がだるく、なんか自分が強力な菌に占領されている感覚を味わう。
邪宗門」のおばあさんが、ロシア正教のイコンの画集と、佐伯祐三の画集を呉れた。ほんとうにいい画集で、「ほんとにいただいて宜しいんですか」と云うと、おばあさんは「もうすぐ死んでしまう身ですから」という。もちろん否定する。いつまでも元気に居てほしいものだ。荻窪邪宗門」は、荻窪のひとつの宝石である。



・帰宅後、熱を測る。38℃。寝込む。相撲を観る。魁皇が幕内最多勝ち星808勝を挙げる。そのうち眼を開けているのもやっとになる。6時半に病院に行く。非常につらくて、うなり声が出るほど。病院では38.8℃まであがっている。陰性だったが、こんだけしんどいのと高熱がでるのはやはりインフルなのではないか、ということで、タミフルと解熱剤を貰う。やっとのことで帰るとその場で倒れ込む。近くに住む親が心配して駆けつけてくれる。しかし10分以上眼すら開けられない状況で、死ぬかと思う。十分後、マスクをした親の姿を見ることが出来て安心する。