・屋内なのだが、すごい高いところから一直線に、そして僕の家のロフトに架かっている様な急な角度の階段があって、それを降りなければならない。
階段には一段ずつ、本が山積みにされていて、足の踏み場も無いので、基本的には本の山を崩さないように、本の上を歩いてゆく。本が崩れた途端雪崩式に本と一緒に奈落の底なので、慎重に慎重に下ってゆくが、半分くらいまで降りてきたとき、どうしても降りることが出来ないような本の組み合わせになっていて、途方に暮れる。
何故か本の山の脇の限られたスペースに椅子が置いてあり、椅子の上に乗っかって降りていくことを考えるが、実行に移せない。暫くどうしようか考え込んでると、下から登ってきた人が、椅子をいとも簡単にちょっとよけると、そこには足をつけられる空間が出来て、下に降りられるようになった。その登ってきた人は、いつも銀座の画廊めぐりをしているおじさんだった。
下に降りられるようになったので、下に降りていくと、今度は下からどんどん登ってくる人の集団が来る。制服を着た女子高生とか、なんやかんやあまり知らない人たちばかりが上に登っていく。まるで遠足か登山のように、何となくうきうきしながら。何でこんな本がある危険な階段を、これから登っていこうとしているのか、わけが解らない。
とりあえず、僕は降りなければならない。