瀬戸口竜ノ介、下北沢、洲之内徹。



・下北沢に友人瀬戸口竜ノ介の演劇を観にいく。
http://horobite.blogspot.com/
http://spysee.jp/%E7%80%AC%E6%88%B8%E5%8F%A3%E7%AB%9C%E3%83%8E%E4%BB%8B/1089102/


いつも演劇は行けばそれなりに楽しいのだが、今回もそれなりに楽しかったけど、やっぱりちょっと三千円は高いなあ。彼の風貌とかやっぱりなかなかない良い味出しているし、役者のセンスあると思うけど、もうちょっと違うテイストの劇に参加してみたりしてもいいのかもしれないのかなとかふと思った。ただ、演劇の世界っていうのは結構結束力が強かったりするので、そういうことって気軽にできないだろうなー。というか、したくないのかなあ。どうなの、竜ちゃんよ。個人的には以前、aoyama月見ル君想フでやった「パーフェクトハートブレイク#8」のほうがよかったなぁ。あのドラムバンド、よかったなぁ。もっと脚本氏、八割がたもっともっとミュージカルにしちゃってもいいような気がするけどなぁ。


そういう意味でも、この演劇をやる前に前座としてバンザイ合唱団という(役者が何人か集まって創った)合唱団が10分くらい歌ったのだが、それはとても良かった。


演劇の舞台を使って、狭いスペースに十人以上の人数で、踊りながら突然合唱をするという、なんだかナンセンスだけれど夢みたいな感じはよい。ちょっとしりあがり寿的な、「いっつもハイテンションだけど、ちょっと物悲しくずれていて、でもあっけらかんとして、奇妙な夢を観ている、でも現実はやっぱりなぁ・・・でもさ、今夜くらいは忘れて、どーんと行っちゃいましょうよ!!!」っていうテイストがあります。ほんとうは、演劇でもそんなようなテイストをみせたかったんじゃないの?「パーフェクトハートブレイク#8」では、それが垣間見れたけどさあ。今回の合唱団も、積極的に演劇本編とからめたらよかったのに、ただの前座にとどまっているのがもどかしかったな。それにしても、観客とものすごく至近距離で、十何人立ったまま合唱をする光景は結構インパクトあるよ。視覚的にも、とても興味深かった。太っている人やせている人、男、女。沢山の人間の体型。それに、顔とか、表情とか、まじまじと見れる機会って滅多に無かったしね。首が細い人、すごい太い人、足が長いひと、短い人。おっぱい大きい人小さい人、いろんな肌の質感、同じ踊りでも足を曲げながらやっている人、やっていない人。


至近距離で、あまりにストレートで、ちょっと眼のやり場に困りつつも、思わずまじまじと見入ってしまった。

http://3297.jugem.jp/?day=20100322




今日買った古本
洲之内徹『絵のなかの散歩』新潮文庫
吉田秀和『レコードのモーツァルト』中公文庫
渋谷陽一『ロック ベスト・アルバム・コレクション』新潮文庫


洲之内徹の『絵のなかの散歩』所収、「赤まんま忌」「画廊のエレベーター」は素晴らしかった。特に「赤まんま忌」は洲之内の三男が交通事故で亡くなったときのことを書き連ねているのだが、これがやっぱりほんとうに心に響いてくる、真に迫る文章だ。洲之内は、具体的な絵について書いている文章よりも、絵のこと以外のことを書いている文章のほうが好きなものが多い。


吉田秀和の文章を読んでいると、まあ昔の人だし(今も健在だけど)そんなに海外の演奏者が来ない時代という時代もあったのだと思うが、「レコード鑑賞」批評にとても積極的である。レコードを通して最初にそのピアニストに出会い、それから本物の演奏を聴くと云うパターン。最後まで本物の演奏を聴かずに終わってしまったパターン。実に正直に書いている。典型的な印象批評で(小林秀雄とはライバル関係にあったらしいが)、ああ、このひとはほんとうにただただ音楽好きなんだな、と思う。

・最近、アラザルの文章を書くために色々考える。
批評とは何か、何をもって批評と認めるのか。批評とエッセイの違いは?良い批評ってなんだ??昨日134ともそんな話をした。金曜日、MRともそんな話をした。