実家のインコ



・きのうの写真に載せたインコはもう、実家にきてから十年目である。
2001年の正月、F家から貰ってきた「ミミ」と「モモ」いうインコの雛がいたのだが、間もなくモモが落鳥してしまい、ミミが寂しかろうということで母親が買ってきたのが、この写真のインコである。名前を「ララ」と名付ける。最初から人懐っこく、我儘で勝気なララは、しょっちゅうミミをいじめた。あまりいじめるので、いじめ始めるとはよくストップをかけたものだった。ミミは、いじめられはじめるといつも「ギギギギッ」という独特の声を出すので直ぐにわかるのである。
そのころはいつも元気に二羽で家の中を旋回飛行していて、一旦かごの外へ出すとなかなかかごの中に入ってくれなくて困った。それが三年くらい経つとミミは、なんかで調子を崩した際に、飛べなくなってしまう。ミミは、もとから痩せていたのだが、さらにやせてしまい見る影もないほどになってしまった。対するララはますます肥え太り、ミミをスキあらば苛めるのであった。このままではミミは直ぐに斃れてしまうのではないかと思われた。がしかし意外と図太く生きつづける。結局、今年の一月まで元気に約十年の寿命をまっとうしたのであった。これは、インコにしては長生きのほうだそうだ。
一方のミミは、ついニ、三ヶ月前までは飛べたのだが、やはり年だからか最近飛べなくなってしまった。しかしながらそれ以外はいつも至極元気で、何故か人が食べ終わった食器についている醤油や油をなめるのが趣味というふうになっているから面白い。醤油や油を食べて調子が悪くならないのか心配だが、いまのところそれでお腹をこわしたり調子が悪くなったということはない。


インコにも性格があって、ララは勝気でさびしがりやで、いつも他の鳥のことや人間のことを気にしていて、好き嫌いが激しい。ミミが可愛がられていたりすると、いつも嫉妬する。そして神経が細やかで、環境が一寸でも変わるとふだんまるまると肥えているのが、あっという間にやせてしまう。
対してミミは、表情に乏しくいつもやせていて、他人に無関心である。あまり寂しがるふうでもない。ララは、人に触られたりするのが大好きなのに、ミミは嫌いである。餌をとるとき、いつもミミはララに力で押しのけられていたが、ララが食べ終わって満足した後、ゆうゆうとマイペースに食べるのであった。弱々しいようで、けっこうちゃっかりずぶといところもあったような気がする。