モネ、絵画教室



・今日は鎌倉の絵画教室。こころなし冬場はみなさんあまり元気のないように思う。が、きょうはあたたかくてよかった。絵画教室が終わったあと生徒さんに「モネとジヴェルニーの画家たち」=bunkamuraのチケットをもらったので大船から湘南新宿ラインで渋谷まで。ジヴェルニーというところはしがない村だったがモネが住んで成功してからちょっとした芸術村になって、アメリカ人を中心にロシア、オランダの画家なども移り住んだり顔を出したりしたという。ボナールもたびたび顔を出したらしい。一点だけボナールの風景画があって、なんだかお世辞にも上手いとは云いがたい絵であったが、ボナール独特の割り切れない不思議な魅力を伝えていた。ボナールは今まで作品を見る限り九割は失敗作に近く思われるし、色彩の魔術師といわれる割には色彩も汚かったりするのだけれど、なんだかするめのように味が出てくるような感じで面白い。実験をした結果意図的に失敗したのか、本当に失敗してしまうのかわからないのだが、そこのところが微妙だから面白い、とも云えるような気がする。その微妙な感じは、最晩年のモネの睡蓮の連作にも共通する危うさであった。色と色とが絶妙のハーモニーを奏でている最盛期のモネの絵とは似ても似つかず、不協和音がいっぱいで、まかり間違えば本当に汚いタッチも入っていたりするが、長らく見ていると、不思議とその不協和音的世界でないと物足りなくなってしまうのに驚く。

久しぶりに風景画や静物画等描写系の油絵を描いてみようという矢先だったので(教室の宣伝も予て)、改めてこうやって印象派(ふう)の油絵を観ると、タッチの勉強になった。そして、ちょうど今読み進めている『異都憧憬日本人のパリ』で頻繁に登場するアカデミー・ジュリアンに学んでからジヴェルニーに流れ着いた人たちが多いのに驚く。大体あの頃は、さまざまな国や地方からパリに上京?してエコール・デ・ボザール(国立美術学校)かアカデミー・ジュリアンで勉強するのが順当な路線だったらしい。特にエコールは、外国人に冷たいという噂があったらしいので外国人は私立のアカデミー・ジュリアンに入学するものが多かったという。


bunkamuraの帰りにギャラリエアンドウに寄って画廊のオーナーと話す。そのあと立ち寄った油そば屋が、あまり美味しくなくてがっかり。水がとても美味しかったからメインも期待したんだけれど。

・昨日の夜は久しぶりに制作に没頭できたのだが、夜中に冴えたからあまり眠れず、今日は眠いのではやく寝ることにしよう。