≪オルフェ≫、日常写真、カーネーション、仕事





・久しぶりに一日仕事がない。


・日常写真を新しくUPしたら、前の日常写真でどうしてもこだわっていた写真二枚を削除することができた。そうしたら全体の流れがとてもいいものになった気がする。折角自分の思い通りの写真が撮れて、これはどうであろうと載せるべきだ、と思いこんでしまっていたものだったが、かえってそれは全体を壊すものであったと思うことができるようになった。
何故かしっくり来ない感じ。ごり押しているような感触。そういうときはいくら頑張ってみても、やはりどこか滞っているのであろう。じっくり考え続けて居ると、固定観念が捨てられることがあるのである。それが大事だと思う。
其の二枚は何がしっくりいって居ないのかと云うと、作者の意図が前面に出過ぎて居たので、少々うざったかったのだと思う。ただ、自分の意図が表せているだけにかえって捨てられなかったのだ。


カーネーション。こないだ尾野真千子から夏木マリに変わったとき、三姉妹以外見事に役者を交替させたのに吃驚してしまったのだった。あんなに最高潮になっているドラマをあっさりあそこまでばっさりやれるかと思ってちょっと不安になったのであるが、一週間たって、徐々に盛り返しつつある。流石に最初の何日かは違和感もあるし、役者も流れを掴めていずにぎくしゃくしているところがあって、間延びして居た。「演技」が表に出て来てしまっていた。電話のシーンも魅力のひとつだったのだが、少々使いすぎている感があった。まあ糸子があの店からあまり動かないで三姉妹が飛び回って居るのだから仕方ないけれど。
しかし、少しずつやはり馴染んでくるものである。先週のぼん達からもらったハートの手紙をくしゃくしゃにしてくず箱に放り投げたのに、あとでゴミ捨て場からわざわざ拾うシーンなんていうのはなかなかである。流石に主役の夏木マリは上手である。三姉妹も健在である。特に長女の教育ママっぷりはリアリティがある。この時代くらいには僕は小学校である。中学受験を少しかじったので、受験戦争等と云うものを少し知っている。あの時代のああいう感じの「ママ」の姿がよく描き出されている(とはいえ長女の娘は受験をしているわけではないけれど)。
今日の、久々に長女と次女が集まったシーンはなかなか傑作の回であった。だんだんこの脚本の、態々主役脇役を殆ど交代してまで描きたいことの輪郭がしっかりわかってきつつある。やはり凄い脚本力である。
「攻撃は最大の防御です!」「いま、なんていった?」「いやいやいや・・・」「・・・なかなかええこと云うやないか」



・専門学校全体会議。金、世界堂でS親子と買い物、そのあとらんぶるでビール二杯。多摩美に論文の校正チェックしに行く。土日、副職、副職。実家。月、南行徳。


ジャン・コクトー監督の≪オルフェ≫を観る。死神に魅いられた詩人。やはりここでも鏡がキーポイントである。鏡は死の世界に繋がっている。その入口である。鏡と云うのは現実を映しているのだ。




・購入
『西洋美学史』 小田部胤久 東京大学出版会
統合失調症あるいは精神分裂病』精神医学の虚実 計見一雄 講談社選書メチエ
『アンフォルム』無形なものの事典 イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・E・クラウス 加治屋健司/近藤學/高桑和巳訳 月曜社
フロイトと後継者たち』上下 P.ローゼン著 岸田秀・富田達彦・高橋健次共訳 誠信書房 
『群衆の中の芸術家』ボードレールと十九世紀フランス絵画 阿部良雄 ちくま学芸文庫
支那絵画史』 内藤湖南 ちくま学芸文庫
『日本呪術全書』図説 豊島泰国 原書房
『歴史的環境の社会学』 片桐新自編 新曜社
『パフォーマンスの魔術師』寺山修司の芸術論集 思潮社
『新天皇家の自画像』記者会見全記録 薗部英一編 文春文庫