花粉なしの春





・非常によく晴れて、春だと云うように思ってもいいかもしれないと思う。早咲きの桜が咲いて、花もだいぶ艶やかに濃く様々な色合いになってきた。今日は何故か花粉の症状が全然出ずに、目もそんなに痒くならず、非常に快調な一日である。あまりにも天気が良かったので、写真を撮りながら自転車に乗りながら浜田山まで。浜田山は明るい商店街なので好きである。其処にあるカルディも好きだ。カルディはたくさんあるけれども、浜田山のが一番好きである。駅前のドトールでひと休憩。持参してきたアラザル一号を読みながら珈琲を啜る。
先日押井守の『機動警察パトレイバー2』を観て、余りにもクオリティーが高くて吃驚したので、アラザル一号の西田博至の文章を再び読んでいる。その前に観た『機動警察パトレイバー』は、そこそこに面白いのだが何か抜きんでるような感動があるかと云えばそうでもなかったのだけれども、俄然2になるとクオリティーがあがるのは何故だろうかと疑問に思ったほどだ。ama2k46によると、押井に「応えるスタッフを組織でき」、「そのスタッフたちの実際の作業(絵を作る)の前に、画面のレイアウトを徹底して作り込んで演出を決定して統御するという方法論を確立させたから」、「徹底して押井がやりたいことをぶち込」めたということらしい。
西田博至の文章は未だ読み途中であるが、序でに他の同人の文章も再読してみたり、プロフィールを観てみたりする。僅か4年前であるけれども、みなの文章から滲み出て来る若々しさに吃驚する。若々しい勢いがストレートに出ているのだ。今はその若々しさに変わり、何か着実でかっしりしたものが夫々に備わったのではないか。文章を比較してみると、さわりだけでもほんとうに違う。随分と4年間でやはり深くなったり、変貌を遂げて居るのだなと云う気持ちと、でも、底に流れて居るものはやはり変わらないのだなと云う感慨と。



・MRYに薦められて観たヘルツォーク、大変感動した。あの船がほんとうに山を登り、急流を下り、その傷痕が非常に説得力あるものになっていたのに驚嘆する。インディアン達との緊張感や、あらゆる意味での危うさと、純粋な「冒険」。スケールがおおきいというのはこういう映画なのだろう。併し何べんも繰り返すようだがあの船の造形性がいつまでも目に焼き付いている。最後の方には船の1階部分の壁が殆どふっとんで吹き抜けになっているところとか。殆どスケルトン状態でぼろぼろなのにへんに馬鹿でかくて愛嬌のあるあの船を択んだのは、最高の選択だったのだと思う。冒険芸術、芸術冒険。殆ど決死の純粋芸術に近い暴挙を敢行すると云う映画を、総て実写で撮ると云う暴挙が其の儘芸術であり、其の儘冒険なのである。




・月曜日南行徳、日曜日副職と実家、土曜日副職。火曜日専門学校のカリキュラム作成と新規教室のカリキュラム作成、一気に仕事が捗る。





・購入
『世に棲む患者』 中井久夫コレクション ちくま学芸文庫
『日本洋画の曙光』 平福百穂著 解説=今橋理子 岩波文庫
『英語の発想』 安西徹雄 ちくま学芸文庫
『たべもの江戸史』 永山久夫 河出文庫