メモ



ベローチェで、学校にて教えるための予習をした後、いつものとおりふらっとブックオフに入ってみつけた向田邦子の『男どき女どき』がたいへん素晴らしい。
このようなふうに文章にして書くと、短文でもこんなに拡がるのだなあと感じ入る。


・KHと久しぶりに阿佐ヶ谷でお茶。ずいぶん深いえもいわれぬ表情をするようになったと思う。十六年も知っているとほんとうによく実感できるよ。こないだのKMの表情も深かったな。年を経て、こういうような表情ができるひとになれるということは、人生の酸いも甘いも受け入れたうえであらためてしっかり生きられているんだなとおもうな。YSでもそうだな。味が出てきていて、それが深くおおらかな魅力になっていてね。ホッとする。三十を越した魅力というのは確かにあるもんだな。でも三十を越しているのにNYの表情は単調だったな、あれはもうすこしかんがえなきゃだよな。EKの表情はまっすぐ、しっかり芯がある、きみは大丈夫だ。HAは、ちょっととおくの眼をしすぎてる。だからいいっていうのもあるんだけど。でもやっぱりちょっと心配ですよ。YM、東京だってそんな怖くはないさ。bのはすべてを語れている貴重な表情だ、あんなに一瞬でいろいろつたわるのって、いつもその感性にはっとさせられ・・それは尊いんだよ。すてきですね、ひとの表情ってね。そして男の表情と女の表情っていうのも、やっぱりちがうもんだよね。