この一週間ちょっと




・M家に三週間くらい逗留する。そのあいだちょくちょく家に帰る。家に戻り、家の片付け。本棚を一日かけて整理する。きちんと整理すると、あら意外とこんな本持っていたんだ、と、あらためて発見があるし、並び直すだけで、なにか新しい思考が生まれて来る気がする。今回はすこし背伸びして「格調高い」イメージ(笑)の本棚にしてみた。哲学や、少し複雑な本も腰を据えて読む気になってきたのかもしれない。それにしても、「それらしさ」っていうのは、並べ方で出るんだなあと思う。まさにこれもイリュージョンと云うか。古本屋や、はたまた喫茶店なども、並べ方ひとつだよなあ。それにしても哲学関連とか専門書を多くならべると、それっぽくみえる・・・。それでいてエロティシズムを失わない並べ方・・・。おれ、古本屋でもひらくか(笑)




・原稿執筆、なんとか仕上げる。ちょっと今回はおおきなことをやろうとしすぎて、溢れ気味。がしっと構築的な、粗漏ない文章を書きたかったのだが、寧ろ前回よりも断片的なゆるいものになった気がする。前回、ひとつの着地点についたとしたならば、また少し流動的にいろいろ模索しているような感じだったので、非常に苦しみながら書いたし、きしっとは纏まって居ないとおもう。しかし、あまり纏まりすぎても居ず、適度に拡がるような文章になったのではないかと思う。前回が一枚の油絵作品だとしたら、何枚かのドローイング、素描で構成した展示に近いような気がする。もしくは油絵の大作のためのエスキース的な意味合いもあるのかもしれない。「序章」っぽいのかもしれない。
いずれにせよ、もう少し時間があれば。と思う。

でも、その溢れた感じを、とりあえずは肯定的にとらえてみることにしよう。あとの評価は読者に委ねよう。


アラザル四号、五号と「相撲」を中心に書いたので、アラザル六号には、「美術」についてしっかりと向き合った文章を書いてみたいと思う。五号も、いまいち思索的には深いところまで掘り下げていけなかったと云う反省も含めて、六号は、なんとか「深い」文章を書いてみたい。




・油絵を描いてみようと思う。少し具象的なものを。愚直に少しデッサン的に描いてみよう。まずは。





・MRYの結婚パーティは、肩肘張ったものではなく、ひじょうに彼らふたりらしいほのぼのとしたリラックスとした雰囲気。自由にたのしく喋れて、心地よいパーティであった。なかなか結婚パーティなどで、ここまで自然な空気の流れをつくりだせないだろう。すごいことだ。さすがである。彼と十年以上友達でありつづけていることを誇りに思った。




・専門学校、漸く一年生は学校に馴れて、自然な会話、自然な笑顔がおおくなってきた。と同時に、課題の多さに辟易しはじめたようだ。風景画教室は日比谷公園。そのあと、ポルトガル料理 ヴィラモウラ銀座店にてランチのフルコースを御馳走になる。ここの店はほんっと、非常にお勧めである。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13025034/dtlrvwlst/2247176/



・高円寺、国分寺西荻窪などにちょくちょく買い物に行く。国分寺エルのPiatto Giornoの生パスタが激うま、ピザはまあまあ。接客が何かとかゆいところに手が届いている感じで良い。華琳の中華そばはたいへん美味。国分寺エルは美味しいところをそろえているように思う。
高円寺では七つ森。お金のないときは駅前のハンバーグ屋、ニューバーグ。ミスターB級グルメ
http://www.newtokyo.co.jp/tempo/karin/karin_kokubunji.htm
http://r.tabelog.com/tokyo/A1325/A132502/13044665/
http://r.tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13000675/
http://gourmet.walkerplus.com/102461009490/


・oaと吉祥寺でカレー屋「シタール」に行く。インド人の看板娘は、有名らしい。たしかに美人であったが、それ以上に驚いたのは、まさにアニメ萌えするような声だったことだ。それに美人でありながら顎がちいさく、ベビーフェイスなところでかわいさもある。そんなこんなで、人気なんだろう。日本語もとてもじょうずで、かんじもよかった。
安くて美味くて沢山食べられる。満足。
http://yfrog.com/gygf6ejj





大河ドラマを観る。秀吉と茶々の恋。恋愛の心理をよく描いていて、とても面白く観れる。ただ主人公の江があまり内面的に成長しないのが妙に平面的になってしまい、興を削ぐ。まだ五月とはいえ、もう少し成長させてほしい。
今回の大河ドラマは歴史を扱いながら、殆ど歴史を気に留めることなく、すきなように描いている。大河ドラマでそれはかなり思い切ったことで、或る意味評価できる。
ただ、わかりやすく親しみやすく描写するのと、妙に平面的にしてしまうのとは、決してイコールではない。篤姫での緊張感ある心理描写が、江にもあったならなあと思う。上野樹里の、もう少し奥深いところを引き出してほしい。今のままでは、なんだかチープすぎてしまう。
併しやはり今日の秀吉と茶々の恋愛の駆け引きの描写を観ていると、やはりこの脚本家は実力があるなあと思う。田渕氏は、そう云う人間の心理の奥深さや関係を、徹底的に前面に出した方がいい。まあ、私が云わずとも、出ていると云えば出ているのかもしれないけれど。しかし繰り返すが、もう少し主人公の描き方、どうにかならんもんか。いまからでも遅くないので、脱のだめしてください。
下手に江ほどわかりやすさを求めなくても、じゅうぶんわかりやすいし面白いのは篤姫で立証されているのだから。


・朝の連ドラは、時代考証がほとんど完璧に近いほど拘っており、しかもその頃の人の心の動き、時代ごとの思考・志向・嗜好がリアルに活写されていてすごい。ただ、うちの母親が云っていたのだが、あの陽子先生が、どう年をとっても、若尾文子のようなキャラにはならんだろう、とおもう。若尾文子のキャラも嫌いではないけれど、全然質が違う人間になりすぎていて、それがどうも気持ち悪い。





・梅雨入り。ついこないだ良い気候だナと満喫したのもつかの間。いちにちじゅうしとしとと降り続く雨の音をききながら、グールドのゴールドベルク変奏曲やランドフスカのバッハなどを聴く。とても心が穏やかに平静になってよい。もしかしたらいちねんじゅうで一番穏やかになれるシチュエーションではないだろうか。とても大人びた気分である。梅雨もまんざらではない。


・ちかくの花屋に行って、デュランタシマトネリコ、オリーブ、オーストラリアン・ブルーベルズの苗を買ってきて、寄せうえをする。デュランタとオーストラリアン・ブルーベルズは、紫色の可憐な花を咲かせている。シマトネリコとオリーブは非常に繊細な葉っぱだ。四つで千円だったので、格安の値段である。寄せ植えの仕方を間違えていなければ、ひじょうに良い鉢になるだろう。梅雨で雨が降って居るのも植え替えには絶好ではないかとおもう。





購入:


『二千五百年史』上下巻 竹越与三郎 中村哲校閲 講談社学術文庫
歴史学概論』 増田四郎 講談社学術文庫
『知の考古学』 M・フーコー 河出書房新社
『性の歴史1 知への意志』 M・フーコー 新潮社
『性の歴史3 自己への配慮』M・フーコー 新潮社
カフカ 身体のトポス』平野嘉彦 講談社
丸山真男講義録[第一冊]日本政治思想史1948』東京大学出版会
『戦後美術の原質』 菊畑茂久馬 葦書房
『若林奮I・W―若林奮ノート』 りぶるどるしおる
内藤湖南とその時代』千葉三郎 国書刊行会
『身体の構築学―社会的学習過程としての身体技法(未発選書 (第2巻)) 』 福島真人 ひつじ書房
『黄禍物語』橋川文三 岩波現代文庫
『本郷菊富士ホテル』近藤富枝 中公文庫