散髪




・昼前に起きて、ブランチを食べながらカーネーションを観る。グッと泣けて来る描写。東京で上手くいかない直子をきつく叱らない。激しく本気であるのがひしひしとわかるからだ。プライドを気遣う。友人(モデルは賢三)の「鉄くず」のオブジェも判らないけれど、本気だと云うのを感じられる、糸子。若いひとのファッションはもう判らない、併し外国語のようなものだと。意味は判らないけれど、それは、「感じられる」のだ。東京の下宿で、直子とその友人たちにお寿司などを気前よく振る舞う糸子。確実に祖母の方に移行していく。
午後、ベローチェで読書。散髪に行く。髪を染める。暫く金欠のため染めなかったが、矢張り染めると全然違う。ぱっと明るく爽やかに、押し付けがましくなく、重たくなくなるのが判る。
美容院に異常に指圧が上手い人が居て、今日はその人にあたって、やっぱりすごく上手かった。
夜、雪が降って来る。どうも寒いなと思って外に出たら雪が音もなく降り出していた。なんだか落ち着かない気持ちになって、阿部良雄の本を買いに吉祥寺か高円寺あたりまで自転車で漕ごうかと思ったけれども、結局荻窪駅まで出て、ふらふらしてささま書店にて、阿部良雄の『絵画が偉大であった時代』を購入。
家に帰って早速読もうと思うのだが何だかそわそわして気ばかり焦って、何も実行できない。読みたい、制作したい、あれもしなければこれもしなければと云う、気ばかり焦って何もできない症候群が発動する。気が付けばもう六日も家計簿を付けて居なかったので付けて、気が付けば机や床の上が散らばって居たので片付ける。少しすっきりして何か心が落ち着く。


・非日常が専門であり、基本非日常の生活を送って居るのだと自覚することが必要であろう。教師や講師と云う職業も、基本的には非日常のひとたち(生産とは直接関係ない人たち)を多く教えるのであるからして、やはり非日常的なほうに近い職業なのではないか。会社や一般社会と呼ばれるところではやはりないと思う。



・購入
『絵画が偉大であった時代』 阿部良雄 小沢書店
『奇妙な本棚』 伴田良輔 ちくま文庫
『木下順庵評伝』 木下一雄著 国書刊行会
『錦里文集』 木下順庵著 木下一雄校訳 国書刊行会