徒然千夜

徒然千夜0007

めろてる ぬるぬるけっちょん、しゃきーんしゃきーん、ぬるぬるけっちょん、しゃきーんしゃきーん。 ぼくはぼくでしかない。ぼくはぼくでしかない。 ぬるぬるけっちょんしゃきーんしゃきーん。 ぼぼくはぼぼぼくでしかなない、ぼぼぼくはぼぼくでしかななな…

徒然千夜0006

トランスルーセントグラスキャット トランスルーセントグラスキャットと云うなんとも長ったらしい名前の魚がいて、こいつはどうもナマズの仲間のようである。よく熱帯魚屋に売られているので、気になって居たのだが、見れば見るほど買いたくなってきてしまう…

徒然千夜0004

<それ>は酸っぱくて重くて不定形だった 非常に酸っぱかったので吐き出そうと一生懸命努力したにもかかわらず、<それ>はいつまでもいつまでも『そこ』にあるのだった。寝ても覚めても<それ>はあった。結局、あらゆる努力を試みたのにもかかわらず、少な…

徒然千夜0005

剥がれて湧く 木のうろが剥がれて剥がれて剥がれて、剝されて鱗になっても剝されて剥がれた、そしてまさに百三十三枚目のうろだか鱗だか判らない剥がれたそいつが地面に落ちたときにうろから鱗が大量に湧いて出てきた。

徒然千夜0003

蚊に喰われて蚊になり、さらに蚊に刺された話 ねていると蚊がぷうんと来たので、パシッと叩いたとたんに何だか身体がおかしくなった。明らかに重くなって変な感じだと思ったら、手が蚊になっていて、そうしたら足も背中もお腹も何から何まで蚊になっていて、…

徒然千夜0002

素質の縞馬、耳掻きの王 素質の一つ手前で躊躇しがちの縞馬がもう一匹の縞馬に縞を預けて少し脱却しようと試みたが、矢張りそれだけでは素質を捉える事が出来なかった。銀の耳かきを取りだした素質を授けるその王は、その遣り繰りを全て監視していたので、そ…

徒然千夜0001

くいいるようにくわれし、私と月 くいいるように見つめたあの洞穴の中についに入ることになり、さぞかしそこは寒いだろうと月を齧りながらそう思う。そうすると洞穴の中からあの光が急に私に向かって飛んできて、齧りかけの月を奪うと瞬時に天空まで駆け上が…

もち

・餅を網で焼く。程よい火でころころとひっくり返す。だんだん角のあたりが水ぶくれみたいになってきて、そのうち中央部が膨らみます。中央部が膨らみきったところで、突然内部のウエットなナカミがぶしゅっと割れ目から産まれる。それをさらにひっくりかえ…